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特集 障害予防
理学療法と運動器系の障害予防―脳卒中片麻痺患者の筋萎縮に焦点を絞って
Disability Prevention: The Prevention of Motor System Disorder in Physical Therapy with Especial Enphasis on the Muscle Atrophy in Hemiplegic Patients
山田 道廣
1
Michihiro YAMADA
1
1白石共立病院理学療法科
1Department of Physical Medicine, Shiroishi-Kyoritsu Hospital.
pp.383-390
発行日 1994年6月15日
Published Date 1994/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104022
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Ⅰ.初めに
1993年に仙台で行なわれた第30回日本リハビリテーション医学会シンポジウムで,障害発生予防とリハビリテーションと題する学術集会が行なわれた.中村隆一学会長の会長講演の中で,今後のリハビリテーション医療は健康増進・疾病予防・障害予防の三つの目的を達成するための手段となるべきであると述べられている.そして現在のリハビリテーション医療で用いられている種々の技術と手技が,健康増進・疾病および障害の予防・そしてリハビリテーションに利用できると言われている1).
このような観点から筆者に与えられたテーマは「理学療法と運動器系の障害予防」であるが,あまりにも難題なテーマである.まず障害予防には健常者と障害者の障害予防が考えられるが,今回は障害者の廃用による障害予防を考え,運動器系の中でも効果器としての筋肉そのもの(筋断面積)に焦点を絞り,述べてみたい.そこでわれわれがこれまで研究した脳卒中片麻痺患者(以下,片麻痺患者)の筋萎縮について,その日常活動性維持の重要性や,さらに筋萎縮を予防するため急性期より当院で実施している終日訓練法の概要についてふれ,脳卒中片麻痺患者の筋萎縮からみた障害予防について考えてみたい.
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