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特集 脳卒中における廃用・過用・誤用と理学療法
脳卒中患者の廃用性体力低下と理学療法
Disuse, Overuse and Misuse and Physical Therapy in Stroke Patient: Disuse of Cardiorespiratory Fitness in Stroke and Physical Therapy
木村 美子
1
,
大川 裕行
1
Yoshiko KIMURA
1
,
Hiroyuki OOKAWA
1
1産業医科大学病院リハビリテーション部
1Department of Rehabilitation, University Hospital of Occupational and Environmental Health.
pp.109-116
発行日 1993年2月15日
Published Date 1993/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103684
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1初めに
近年リハビリテーション医学における廃用症候群の概念は,いわゆる不動が原因とされるものから,日常の活動性の低下による二次的障害という概念へと拡大されてきた.つまり,動かさないあるいは動けないことだけでなく,動かないことに起因する廃用症候群の存在がクローズアップされてきたのである.
脳卒中患者の急性期における安静の必要性に関しては,その期間や程度について種々の意見がある.その内容に関してはここではふれない.しかし,リハビリテーション医学の概念そのものの普及により,以前のような無為な過度の安静が徐々に減少してきつつあることは,喜ばしい限りである.池田1)は脳卒中患者の廃用症候群は,急性期,回復期,機能維持期に分けて検討していくべきであるとしているが,著者らもその意見には賛成である.これまではどちらかというと,急性期の患者の管理にばかり目が向けられる傾向があったが,むしろ生活の在り方の主体が患者の自主性へとウェイトが移っていくにつれて,廃用の予防に関しては多くの問題が生じてくると思われるからである.その意味で,今回は急性期に関しては敢えてふれず,回復期(入院中の訓練期)と慢性期(退院後の機能維持期)とにおける廃用症候群に関して,体力的(全身持久力)な面からの考察を加えみた.
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