Japanese
English
特集 患者の人権
障害をもつアメリカ人法と障害者の人権
Rights of the Patient: The Americans with Disabitities Act and the Civil Rights of Persons with Disabilities
久保 耕造
1
Kozo KUBO
1
1(社会福祉法人)東京コロニー事務局
1Vice Secretary General, Tokyo Colony.
pp.9-15
発行日 1993年1月15日
Published Date 1993/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103662
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
1はじめに
1990年にアメリカで制定された「障害をもつアメリカ人法(The Americans with Disabilities Act of 1990,略称ADA)」は,我が国の関係者の間において“ADAフィーバー”とも呼ぶべき大きな注目と関心とを集めた.その理由にはさまざまなものが考えられるが,その最も大きなものは,同法が障害者に対する「保護」を目的としているのではなく,障害者に対する「差別禁止」を目的としていることにある.
差別禁止というのは機会均等の保障あるいは人権保障ということの別の表現である.言い換えると,ADAによりアメリカにおける障害者に対する人権保障の体系が確立したとも言えるのであり,そのことがADAに対する大きな注目を生み出した原因であったと言えるのである.
本稿ではADAの制定の経緯およびその概要について紹介し,同法の人権保障としての側面について確認するとともに,アメリカにおけるADA以外の障害者の人権保障に関連する法制度についても紹介したい.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.