Japanese
English
印象に残った症例
横隔膜ペーシングを施行した高位頸髄損傷患者の一例
Impressive Cases: A Case of High Cervical Cord Injury Who Had Diaphragm Pacing
倉島 信作
1
Shinsaku KURASHIMA
1
1水原郷病院理学診療科
1Department of Physical therapy Medicine, Suibara-go Hospital.
pp.723-725
発行日 1992年10月15日
Published Date 1992/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103615
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Ⅰ.初めに
交通事故による死亡記事が毎日のように新聞に掲載されている.中には病院に搬入されてから死亡する例も多いと思われる.しかし医学の進歩,特に救急医療の進歩,人工呼吸器の普及に伴い,交通事故に逢った人々が救命されることも多くなった.だが,せっかく救命できても高位頸髄損傷患者とりわけ横隔膜麻痺が有る場合,永続的に人工呼吸器の装着を強いられる1)か,短時間の離脱のみで,患者のADLあるいはQOLにおいて,きわめて大きな問題となっていた.
今回,当院で約10年間人工呼吸器に依存しながら生命維持を行なってきた交通事故による高位頸髄損傷患者が,横隔膜ペーシングの植込術を行ない2,3),昼間はほぼ完全に人工呼吸器から離脱でき,かつ家庭復帰したので理学療法士としてのかかわりから報告する.
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