報告
Step-Lock式膝継手の使用経験
松永 篤彦
1
,
神内 拡行
1
,
石田 暉
2
1東海大学医学部附属大磯病院リハビリテーション室
2東海大学医学部附属大磯病院リハビリテーション科
pp.412-415
発行日 1992年6月15日
Published Date 1992/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103535
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Ⅰ.初めに
膝継手は,制動の方向およびロック機構の種別などによりその種類も多く1,2),長下肢装具や膝装具を使用する上で重要な役割を果たしていることから,選択の際にはそれらの継手の機能を十分に考慮し,その適応を個々に検討していくことが重要である.
特に臨床場面では,長下肢装具は膝関節変形拘縮の予防および矯正,さらには立位・歩行獲得を目的とした固定および支持装具として,発症早期から一時的に使用されているが3),重度障害や重複障害を呈すような症例に長下肢装具を適用する場合には,その目的が重複するとともにその使用も長期化することは稀ではない.
このような理由から,長下肢装具の膝継手の条件は,機能的な回復を予測したものでなくてはならず,また装具装着が患者自身では困難で,介助が必要であることを理由にその使用が見送られるケースも多いことから,日常生活の一部においても実用化が図れるように配慮されなければならない.
今回われわれは,上記のような目的をもってStep -Lock式膝継手を使用し,長下肢装具の使用がADLの一部に取り入れられ,併せて下肢機能およびADL改善に良好な結果を得たので報告する.
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