報告
医療施設における車いすの整備状況と管理対策
岩田 章史
1
1島根医科大学医学部附属病院理学療法部
pp.409-411
発行日 1992年6月15日
Published Date 1992/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103534
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Ⅰ.初めに
下肢に機能障害を有する人にとって,車いすは重要な移動手段の一つである.数多くのリハビリテーション機器の中で,車いすはもっとも有用性の高い機器とされている1).医療施設においても,多くの患者が車いすを利用しているが,個人所有のものが使用されることは少なく,ほとんどの場合,施設が備品として保有している車いすが使用されている.しかし備品の車いすは,使用者が不特定多数であり,しかも管理体制が不明確になりやすいこともあって,整備不良のまま使用される場合が多いのが実情である.このことが施設の印象を損うだけでなく,医療を進める上で危険な要素になるのは明らかである.一方,車いすに関する報告の大半は適応・処方に関するものであり,管理に関するものは少ない.
今回,医療施設で保有している備品の車いすの整備の実態を把握する目的で調査を行なったので,その結果を報告し,併せてその管理について検討を加えてみたい.
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