理学療法学科新入学生のための学生生活オリエンテーション
空飛ぶ鷹と地に在る鶏と
髙口 光子
1
1宇賀岳病院理学診療科
pp.292-293
発行日 1991年4月15日
Published Date 1991/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103258
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専門家は専門を越えてこそ
専門技術を体得し,自身の能力向上,患者サービス,現場診療の実践と理学療法学進歩への貢献,そんなことは当然で,その機能が低下してしまえば,専門家とは呼ばれなくなる.だから,「専門」というところは確かにだいじなのだが,そのほかに理学療法士という職業をもった「人」としての役割を忘れてしまうことはないだろうか.
専門とは,狭い一つの局面に対応しうる職人技術でしかなく,その職人技術をもつ人間が,ある種の社会行動を求められるとき,それは,終局のところトータルな人間の問題となる.専門と言われるためには,専門を越えなければならない.私は,このことを小児分野の先生から教えられた.
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