Japanese
English
特集 神経病理—第12回日本神経病理学会学術研究会より
シンポジウム—脳の発達とその障害
Ⅰ.正常脳の発達
鶏胚脊髄の発生
Histogenesis of the chick spinal cord
金光 晟
1
Akira KANEMITSU
1
1東京都神経科学総合研究所
1Tokyo Metropolitan Institute for Neurosciences
pp.379-387
発行日 1972年6月10日
Published Date 1972/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903391
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
神経管の細胞は胚芽層matrix(図1,PⅠ)で増殖し,胚芽層を離れた細胞は灰白質の原基である外套層mantle layer(図1,AE)を形成する。1959年に3H-thymidineを用いたオートラジオグラフィが神経発生に導入されで36,38),胚芽層における細胞周期に伴う細胞核の運動interkinetic nuclear movementが再検討されてつぎのことが確認されている。すなわち細胞核は胚芽層の深い部分でDNA合成を行ない,中心管壁に移行して細胞分裂してふたたび深い部分に帰ってゆき,ここで細胞は胚芽層を離るか,あるいは胚芽層にとどまってふたたびDNA合成を始めという12〜14,23,28,31,37)(図1左半)。胚芽層におけるこのような細胞の動態はelevator movement(Fujita,1963)13)とよばれ,胚芽層全般に共通した現象であるらしい。
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.