とびら
高額医療機器におもう
西川 浩
1
1富山労災病院リハビリテーション診療科
pp.285
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103007
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院内会議室.各科から提出された来年度機器整備要求一覧表を前に,各科の代表者が一点でも多くの機器を獲得しようと,その必要性や有効性について白熱した議論を展開している.その主張は,「耐用年数の過ぎた機器の更新」「検査効率を上げるために機器の増設」「新しく開発されたハイテク機器により,さらに正確な診断・治療が可能となる」「合理化,省力化,作業能率の向上につながる」「高度・高額医療機器の設置により,病院のイメージアップとなる」などであるが,いずれも,患者の診断・治療のために機器の購入が必要だとする大義名分があるようだ.リハビリテーション科からは,かねてからスタッフ間で要望の強い,筋力の評価と強化装置が出されており,「筋運動を科学的に分析評価し,効果的な筋力強化のためにぜひ必要である」と,ここ10年来その必要性を強調し要求し続けているが,「不急不要の機器であり,高額な割には診療収入面のメリットが無い」などの理由で不採用となり,涙を飲み続けてきた.しかし,我慢の甲斐あって,昨年ついに高額機器の優先順が上位にランクされ,「今度こそ念願がかなうのでは」とのリハビリテーション科スタッフの熱い期待を背にしての機器整備会議への出席である.
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