Japanese
English
とびら
医療についておもう
Thinking about medical services
pp.153-154
発行日 1970年6月9日
Published Date 1970/6/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100316
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- Abstract 文献概要
学問のあり方
ここ1,2年来大学を中心として医療,医学,医学教育の問題が大きく問われている.医療は人間が創り出した他の分野の学問,技術とは異なっている面があることはもちろんだが,近年,学問自体がそのあり方が問われ出している.真理の探究という名のもとに,学問が学問それ自体のために存在することが,はたして人間のためになることだろうかということである.
科学者の学問研究の結果が,人類の運命を決めかねないようなことになってきたことは原子エネルギーの解放をとっても明らかである.技術の開発・利用が一方では人間の存在自体,生命をもおびやかすようなことをひきおこしている.つまり,換言すれば,学問の進歩とともに,その学問の応用の結果が人間にあるいは社会に害を及ぼすようになるということである.学問の研究,応用ということが,一方では人間のために役だち他方では逆に害を与えるような,つまりもろ刃のやいばというような面をももっていることである.
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