理学療法学科新入生への学生生活オリエンテーション
いろいろな知識を関連づけられる能力を養なおう
嶋田 智明
1
1神戸大学医療技術短期大学部
pp.280
発行日 1989年4月15日
Published Date 1989/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102764
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先日卒業生を送り出したかと思ったら,もう新入生を迎える季節となりました.ところで毎年いつも思うことですが,今の皆さんは幸せだと思います.それは,医療職の入試の中でももっとも難関な理学療法士養成校の入試を突破され,理学療法士になるための切符を今こうして手にされたのですから.そして,それより以上に,これほどまでに条件の整った素晴しい教育環境の中で教育の恩恵をこうむることのできる現在という時間の中で生きているのですから.
もう20年以上も前のことになるでしょうか.私が学生のころは,日本人の専任教員が誰一人としておらず,専門科目の授業は専ら外人教員によって行なわれていました.現在の皆さんには,信じられないかもしれませんが,朝から夕方まで一人の外人教員が何科目も一日中英語で授業をするのです.リハビリテーションや理学療法の概念すらはっきり理解できていない私たちにとって,英語で講義される物理療法や検査測定,それに運動療法を理解することは,並たいていのことではありませんでした.また月に1回,東京から九州へ飛行機で来られる外人教員の集中講義は,正直言って地獄でした.分厚い英文のテキストを数日間で終わらせ,その後,必ずと言っていいくらい実施されたQuizと称される豆テスト,これが進級判定の材料となるのですから,いかにこのころの学生が英語で苦しめられていたかが理解できるでしょう.
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