特集 いま,ケアとは何かを問う
リハビリテーション看護と「ケアの中のキュア」
大田 仁史
1
1茨城県立医療大学附属病院
pp.798-801
発行日 1997年11月25日
Published Date 1997/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901702
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はじめに
「キユアからケア」という言葉には「病気ではなく,病人を診よ」という臓器中心医療への反省がこめられている.ここでいわれるケアは,もちろん病者に対する包括的な関わりを意味している.しかし,このケアという言葉の生い立ちもリハビリテーションという言葉に似て,いろいろのニュアンスで使われてきた.うまい日本語に訳されなかったのも似ている.日本語に適切な表現がないというのは,そのような概念が日本にないということでもあろう.
さて,この小論ではリハビリテーション看護を切り口として,看護のもつキュアについて考えたい.「キュアからケア」の時代に何を時代錯誤なといわれるかもしれないが,21世紀がもし看護の時代になるとしたら,私は,それは看護が秘めているキュアの力を主張しはじめたときだと考えている.もちろん,ケアの重要性を否定しているのではないので誤解のないように願いたい.
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