とびら
自己実現のための教育
奈良 勲
1
1金沢大学医療技術短期大学部
pp.149
発行日 1989年3月15日
Published Date 1989/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102723
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教育ということばを子どものころからたびたび聞いてきたせいか,大人になっても,そのことばは耳から離れない.たまたま教育学部に学び,高校教師を目指した私にとって,そこで受けた講義は,教育についていろいろ考える機会を与えてくれた.義務教育を受けていたときは,ほとんどその意味を理解していなかったし,学校の教育活動に特に関心をもたず,ただあらゆる遊びに夢中であったことしか記憶に無い.しかし,高校生になると,将来何をしようかと少しは思いに耽(ふけ)ることはあった.それでも,私の親は子どもを特定の職業に志向させようという強い考えをもっていなかったらしく,これといった注文や期待を一身に受けた覚えは無い.結局,高校3年になって,熱中していたスポーツを続け,それを種に飯を食える職業の一つである体育教師が良いと単純に思いつき,教育学部に入学したのである.しかし,大学卒業後,日本を離れもっと世界を見たいと考え,アメリカの大学で理学療法を学んだ.
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