特集 女性の自己実現を支援する
保健婦である私たちの自己実現を考える
島野 由紀子
1
,
長雄 市子
1
,
粕谷 かほる
1
,
河島 夏美
1
,
海老名 朋子
1
,
佐藤 晴子
1
,
齋藤 美和
1
,
内田 美音子
1
,
岡安 智子
1
,
村中 優子
1
1横須賀市南健康福祉センター
pp.110-115
発行日 2001年2月10日
Published Date 2001/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902989
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私たち保健婦は,次々に発生する育児不安,児童虐待,要介護高齢者の増加を目の当りにして,それに日々取り組みながらも,これでいいのか,これがいつまで続くのかという閉塞感の中で働いてきたのではないだろうか。社会情勢のうねりは,地域保健に携わるものに,新たな予防活動を重視。した支援の方法を開拓することを強く求めているように思える。地域住民の生活の質(QOL)を向上させるための新たな支援の手法を考え,それを住民と協働して実施して,確かな手応えが得られるなら,それは人々の主体的な健康づくりの後押しに多少なりとも成功したことであり,この実感は,保健婦自身を大いに力づけるものであると考える。「自己の,人間的な能力を自発的,生産的に使用して,自分の生活(人生)を高めていく過程」1)を自己実現というなら,私たちは保健婦という役割を,生活の中のかなり大きな部分で主体的に引き受け,それを通して,意識するか否かを問わず,自己実現を図っているといえるのではないだろうか。
横須賀市南健康福祉センターの10人の保健婦が,住民と協働して地域の保健福祉活動に取り組んだ経過とその手応え,1人ひとりの保健婦へのインタビューとグループディスカッションから得られた「思い」から,「保健婦である私たちの自己実現」についてレポートしてみた。
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