書評
―編集:奈良 勲/編集協力:内山 靖―「理学療法のとらえかた PART3―Clinical Reasoning」
岡西 哲夫
1
1藤田保健衛生大学衛生学部リハビリテーション学科
pp.702
発行日 2005年8月15日
Published Date 2005/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102514
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「理学療法のとらえかた」,その答えを導くclinical reasoningの糸口は,やはり日々の臨床の中にあるのだろう.そしてそれは,理学療法士から患者への一方向的な文脈の中にあるのではなく,実は理学療法士と患者との対話の中に,そして姿勢とか動きを学び取る中にあるのではないかと思う.つまり,理学療法士のclinical reasoningにとって極めて重要なことは,目の前の患者のニーズに対し,いかに迅速に応え,いかに根拠(EBM)に基づく理学療法を確立するかであろう.それにはまず,理学療法とは一体患者にとって何なのか(what),どのようにするべきなのか(how),なぜそうするのか(why)などの問いかけを常に行うことから始まると思う.しかし,そのような問いかけや,適切な回答をしていく能力を養うには,漠然と臨床(地)実習,そして卒後教育を送るのではなく,例えばOSCE(客観的臨床能力試験)を体験するとか,本書のような実際の理学療法士が供覧するreasoningの仕方から,その糸口を学び取る必要があろう.
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