書評
―奈良 勲・内山 靖(編)―「図解 理学療法検査・測定ガイド 第2版」
櫻井 宏明
1
1藤田保健衛生大学医療科学部リハビリテーション学科
pp.336
発行日 2010年4月15日
Published Date 2010/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101649
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理学療法では,信頼性・妥当性・確実性のある標準化された評価/検査・測定が要求される.評価/検査・測定とは,患者の現時点での状態を把握し,治療方針を決定し,その実施過程の如何を確認し,さらに,その将来を予測する過程である.「治療即評価」と言われるように,治療と評価は一体であり,「評価できぬ者に治療あらず」と言っても過言ではないほど,理学療法にとって検査・測定は極めて重要な柱である.そして,検査・測定を実施するうえでは,基本的知識だけでなく,基本的臨床技能と実践能力が要求される.
このような中で,本書は,検査・測定に関わる基本的臨床技能と実践能力を高めることに力点が置かれており,理学療法の検査・測定に必要な内容がすべて網羅されている好評書「図解 理学療法検査・測定ガイド」の第2版である.理学療法における検査・測定の目的と相対的位置づけをコンパクトに示し,検査・測定の実際,情報収集の仕方などが丁寧に説明されている.また,初版に加え,「検査・測定項目の選択」,「動作観察の実際」,「動作分析の統合」,「活動量・生活範囲」,「健康関連QOL」の項目が追加され,検査・測定を実施する際のポイントがより一層,明確に捉えることが可能になった良書である.
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