書評
―奈良 勲 編集―『理学療法のとらえかた PART2―Clinical Reasoning』
鶴見 隆正
1
1神奈川県立保健福祉大学
pp.1070
発行日 2003年12月15日
Published Date 2003/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102458
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クライアントの運動機能や生活を支える理学療法は,実に奥深く,やりがいと可能性を秘めていることに高ぶりを感じ,いかに「臨床力」が大切かを考えさせられた,というのが本書の通読感である.
これまでの理学療法に関する書籍は,どちらかというと技術的なものが多く出版されてきた背景には,急速に増大する理学療法ニーズにより適切で効果的な方法を,広く普及する狙いが少なからずあったと思われる.事実,筋力や疾患に対する運動機能の評価法に関するもの,疾患群別の運動療法のあり方,技術的なものが漸増的に出版され,理学療法の発展に寄与してきたことは否めない.しかしながら,あまりにも定性的な評価尺度やその結果に従った理学療法技術の拡がりはややもすればパターン化したアプローチに陥りやすく,創造性に危惧を感じることも少なくない.
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