特集 東日本大震災と理学療法
介護老人保健施設を軸にした震災後の理学療法・士の支援活動
金野 千津
1
Chizu Kinno
1
1介護老人保健施設気仙苑
pp.203-207
発行日 2012年3月15日
Published Date 2012/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102214
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はじめに
当施設はリアス式海岸で内陸に深く入り込んだ大船渡湾と大船渡市の中心街を見下ろす高台に位置しているため,幸いにも津波災害を逃れることができた.入所定員152名,通所定員75名の介護老人保健施設に,入院19床の透析医療を中心とするクリニックを併設している.同敷地内に介護福祉施設や認知症グループホームなどがあり,道路を挟んですぐ西側に気仙地域(大船渡市,陸前高田市,住田町)の救急医療の中心,県立病院がある.半径1km圏内には,市内最大の避難所にもなった市民ホールや,市役所,保健センター,警察署などがあるため,保健・医療・福祉連携の中心部にあるといえる.
3月11日14時46分東日本大震災による最初の揺れが起こり,約30分後大船渡市の東南部に東北沿岸部で最初の津波が到達している.大船渡市は漁業施設・商業市街地の多くを失ったものの,高台にあった市行政機能はかろうじて保たれた.
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