特集 下肢機能再建と理学療法
脊髄障害に対する下肢機能再建と理学療法
清水 康裕
1
,
近藤 和泉
2
,
才藤 栄一
3
Yasuhiro Shimizu
1
1医療法人輝山会記念病院
2独立行政法人国立長寿医療研究センター
3藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学Ⅰ講座
pp.1033-1039
発行日 2011年12月15日
Published Date 2011/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102138
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はじめに
頸髄損傷により四肢麻痺が,胸髄以下の損傷により対麻痺が生じるが,頸髄損傷は残存機能によって日常生活活動(ADL)の自立度が大きく異なる一方で,対麻痺ではほとんどの症例が車いす自立となる.これまでの理学療法は,これらの機能予後に立脚したプログラムで実施されてきた.しかし1980年代より,対麻痺者では装具による立位・歩行再建が注目され1),現在では歩行再建の目的でのロボット開発も進んでいる.このため回復期から慢性期にかけての下肢機能再建がますます重要な課題となってくる可能性が高く,ロボットを含めた下肢機能再建技術の進歩を意識した理学療法プログラムの立案が必要である.
本稿では,今後の脊髄損傷に対する新しい理学療法の在り方を意識した対麻痺者に対する下肢機能再建,歩行再建について述べる.
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