特集 不全型脊髄損傷の病態と理学療法
不全型脊髄損傷者の歩行再建と理学療法
藤縄 光留
1
,
相馬 光一
1
,
金 誠熙
1
Fujinawa Mitsuru
1
1神奈川リハビリテーション病院理学療法科
pp.203-211
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101368
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はじめに
ヒトは,移動様式として直立二足歩行を獲得したことにより,自由な手と脳の発達を生み,結果として豊かな知性や言葉,そして文化をも持つに至ったと考えられている1).ヒトの特徴ともいうべき歩行に障害を持つということは,移動手段の制約ばかりではなく,精神的な喪失感も計り知れないものがあることを理解する必要がある.脊髄損傷者に限らず,歩行障害を持つ者にとって歩行の再建は切実な願いであり,その思いに耳を傾ける真摯な姿勢がセラピストには必要である.本稿では,不全型脊髄損傷者(以下,不全損傷者)にとっての歩行の意義や歩行再建を念頭においた評価のポイント,および介入方法について述べる.
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