特集 認知症と理学療法
認知症の診断と治療
小阪 憲司
1
Kenji Kosaka
1
1メディカルケアコート・クリニック
pp.823-829
発行日 2011年10月15日
Published Date 2011/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102080
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はじめに
現在わが国の認知症患者は約270万人と推計され1),人口の高齢化が進むにつれ,ますます認知症患者が増加することは間違いない.認知症の原因は多彩であるが,高齢者では脳の老化と密接に関連するアルツハイマー型認知症,レビー小体型認知症,脳血管性認知症がそれぞれ約50%,20%,15%と,認知症のほとんどを占め,これらは三大認知症と呼ばれる2).その他にも,ピック病を含む前頭側頭葉変性症やハンチントン病などの変性性認知症に加えて,種々の脳炎,脳腫瘍,脳外傷,代謝性・中毒性脳障害などによっても認知症が起こることもある.それらすべてについて述べるだけの紙数はないので,筆者の認知症の分類3)を表1に挙げるのみにして,ここでは三大認知症2)を中心に述べることにする.
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