Japanese
English
研究と報告
CO中毒の既往の確証はなく,しかも同症に酷似した臨床経過,病理組織所見を呈した2症例
Two Cases, Which are Similar to the Clinical and Histopathological Findings of Carbon-monoxide Poisoning, without the Evidence of its Anamnesis
小林 宏
1
,
小阪 憲司
1
,
星野 干城
2
,
柴山 漠人
2
,
岩瀬 正次
3
Hiroshi Kobayashi
1
,
Kenji Kosaka
1
,
Tateki Hoshino
2
,
Hiroto Shibayama
2
,
Shoji Iwase
3
1名古屋大学医学部精神医学教室
2愛知県立城山病院
3守山荘病院
1Dept. of Psychiat., Nagoya Univ. School of Med.
2Shiroyama Hospital, Aichi Prefecture
3Moriyama Hospital
pp.985-992
発行日 1974年11月15日
Published Date 1974/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202246
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I.はじめに
一酸化炭素(以下COと記す)中毒の報告は今日までに内外多数あり,とくにわが国では従来煉炭,炭火などのほかに何回もの炭坑爆発などの災害により多数の犠牲者を出し,そのたびに厖大な資料の報告がなされている。
最近われわれは病理解剖学的にはCO中毒の典型例と考えられる所見を示し,かつ臨床的にも完全および不完全間歇型としてのCO中毒例ときわめて類似した経過を示しながら,詳細な既往歴聴取にもかかわらず,CO中毒の可能性を否定せざるを得ない2症例を経験したので報告する。
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