臨床実習サブノート スーパーバイザーの視点・論点―患者さんに触れるまで・6
ACL損傷または半月板損傷
舌間 秀雄
1
Hideo Shitama
1
1産業医科大学病院リハビリテーション部
pp.797-803
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102068
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はじめに
膝関節のスポーツ外傷で発生頻度の多いものとしては,前十字靱帯(anterior cruciate ligament:ACL)損傷と半月板損傷が挙げられる.外傷直後の応急処置は安静,冷却,圧迫,挙上すなわちRICE(Rest, Iceing, Compression, Elevation)が原則的に行われる.これらは炎症の拡大を抑えるための受傷現場での応急処置であるが,その後患者は整形外科を受診し,必要と判断された場合にリハビリテーション(以下,リハビリ)の依頼が出る.当院においては整形外科からの依頼により,リハビリ科医師が診察して理学療法の処方が出されるが,多くが術後の入院患者であり,手術翌日より理学療法が開始される.本稿では,ACL損傷術後または半月板損傷術後の処方を受けた理学療法士が,治療を始めるまでにどのような流れで検討を進めるのか,当院入院患者を例にポイントを提示する.
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