Japanese
English
報告
新鮮アキレス腱断裂縫合術後に外固定なしで行う早期運動療法と運動機能回復
Early physical therapy without external fixation contribute to recovery after a Achilles'tendon suture
加藤 勇輝
1
,
林 美菜子
1
,
四本 忠彦
1
,
江草 典政
2
Yuuki Kato
1
1出雲市民病院
2島根大学医学部附属病院
キーワード:
アキレス腱断裂
,
術後外固定不要な縫合術
,
早期運動療法
Keyword:
アキレス腱断裂
,
術後外固定不要な縫合術
,
早期運動療法
pp.265-269
発行日 2011年3月15日
Published Date 2011/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101906
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要旨:当院では,新鮮アキレス腱断裂に対し,現在考えられる中でも最も強固な初期固定力を得ることができるアキレス腱縫合術(以下,術後外固定不要な縫合術)を用いることで,術直後より外固定なしでの早期運動療法が可能となった.これに伴い,当院にて新たな術後のプロトコルを作成した.本研究の目的は,術後外固定不要な縫合術後に,外固定なしで行う早期運動療法の有用性を明らかにすることである.対象は,当院の術後プロトコルに沿って術後運動療法を行ったアキレス腱断裂患者17名(男性13名,女性4名)とした.検討項目は,足関節の背屈関節可動域測定と,術後4・8・12週の自然歩行時の足底圧分析とした.結果,患側足関節の背屈角度は平均20日にて健側と同値となった.足底圧は術後8週で,前足部において健側と患側に有意差を認めなかった.過去の報告では,足関節の背屈関節可動域は6~7週で健側と同値に改善,前足部足底圧は6か月で健側と患側の有意差を認めなかったとしているのに対し,本法ではより早期に改善していた.以上より,新鮮アキレス腱断裂に対し,術後外固定不要な縫合術を用い外固定なしで早期運動療法を行うことが,従来法の固定により併発する足関節機能低下を防ぎ,早期に正常歩行を獲得することに有用であると考えられた.
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