連載 物理療法update・第3回
疼痛治療としての経皮的電気刺激療法
千田 益生
1
Masuo Senda
1
1岡山大学病院総合リハビリテーション部・リハビリテーション科
1Department of Physical Medicine and Rehabilitation, Okayama University Hospital
キーワード:
疼痛治療
,
経皮的電気刺激
,
transcutaneous electrical nerve stimulation
,
TENS
Keyword:
疼痛治療
,
経皮的電気刺激
,
transcutaneous electrical nerve stimulation
,
TENS
pp.1523-1527
発行日 2022年12月10日
Published Date 2022/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202706
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はじめに
電気エネルギーによって起こる生体反応を治療に応用したものが,電気刺激療法である.電気刺激の効果としては,鎮痛,筋緊張の緩和,関節可動域の改善,筋力増強,神経筋再教育,筋萎縮の予防,循環改善,創傷治癒促進,薬剤運搬促進,痙縮改善,動作・歩行機能の再建,浮腫の改善などがある.電気刺激の刺激波形による分類としては,低周波,高電圧パルス電流,直流,交流(中周波,ロシアン電流),マイクロカレント,干渉波などがある.また治療方法や目的による分類として,治療的電気刺激(therapeutic electrical stimulation:TES),機能的電気刺激(functional electrical stimulation:FES)がある.TESのなかで,鎮痛を目的とした電気刺激を経皮的電気刺激(transcutaneous electrical nerve stimulation:TENS),筋力増強や神経筋再教育を目的とした電気刺激を神経筋電気刺激(neuromuscular electrical stimulation:NMES)とよぶ1).疼痛治療としての経皮的電気刺激療法として,TENSについて概説する.
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