Japanese
English
症例報告
ストレッチングと足底挿板が有効であった両側変形性足関節症例
Stretching and insole therapy for osteoarthritis of the ankle.
赤羽根 良和
1
,
永田 敏貢
1
,
齋藤 正佳
1
,
栗林 純
1
Yoshikazu Akabane
1
1さとう整形外科リハビリテーション科
キーワード:
変形性足関節症
,
力学的バランス機構
,
理学療法
Keyword:
変形性足関節症
,
力学的バランス機構
,
理学療法
pp.823-828
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101760
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要旨:両側足関節症を呈し, 左足部に人工関節が施行され, 右足部は理学療法を選択した症例を経験した. 70歳代の女性で, 診断名は右変形性足関節症であった. X線所見ではⅢ-b期と比較的高度な変形を認め, 正面天蓋角は73°, 側面天蓋角は78°であった. 理学所見では, 距腿関節周囲の著しい腫脹と軽度熱感を認めた. 歩容では踵接地期に踵骨は回外接地し, 立期中期にかけて距骨下関節の回外が増強することで歩行時痛が出現し, 歩行距離は30m程度と制限されていた. まず距腿関節ならびに距骨下関節の可動域獲得を目的としたストレッチングを実施し, さらに距骨下関節の力学的バランス機構の再獲得を目的とした足底挿板を実施した. これにより距腿関節の関節応力が寛解したため歩行時痛は改善し, 併せて歩行距離も順調に増大した. 開始12週後には歩行距離は500m程度なら疼痛を認めなくなり, 良好な治療成績が得られ, 理学療法を終了した.
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