書評
―新田 收・小林 賢・小山貴之(編)―「理学療法スーパーバイズマニュアル 臨床実習生・新人理学療法士指導のために」
潮見 泰藏
1
1杏林大学保健学部理学療法学科
pp.828
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101761
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理学療法教育における臨床実習の重要性は誰もが認めるところですが,現今では,長く先人たちによって築いてこられた臨床実習の形態を踏襲することが困難な状況を迎えていると言えます.短期間に養成施設の数が急増し,年間1万人ほどの実習生を病院・施設で受け入れなくてはならない状況にある現状を考えますと,早急に臨床教育の在り方を見直す必要がありましょう.
こうした状況では,実習の指導にあたっている人たちの多くが,実習指導者としての能力や理学療法士としての経験に乏しいため,十分な臨床教育を提供できていないことが危惧されます.ただ,指導者としての特別なトレーニングを受けることもなく,多忙な臨床の傍らで学生指導にあたっているのが現実であることから,これはある意味でやむを得ないことであると思います.しかしながら,こうした状況を打開する必要があり,そのためには,指導者となる若い人たちのための研修システムの充実や実習指導の具体的方法を解説したガイドラインや教本の整備などが必要不可欠と思われます.
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