書評
―伊藤利之・江藤文夫(編)中村春基・宮永敬市(編集協力)―「新版 日常生活活動(ADL)―評価と支援の実際―」
隆島 研吾
1
1神奈川県立保健福祉大学リハビリテーション学科理学療法学専攻
pp.701
発行日 2010年8月15日
Published Date 2010/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101731
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ADL(日常生活活動・動作)は,リハビリテーション医療の中枢をなすものとして,QOL向上を最終目標とする現在でもその価値が下ることはない.
本書は,土屋弘吉先生,大川嗣雄先生,今田拓先生というわが国リハビリテーション医療の第一人者の先生方による編集で,1978年(昭和53年)に「わが国におけるADLに関する最初の単行本として」(初版の序より)刊行され,第2版は1982年(昭和57年),第3版は1992年(平成4年)と版を重ね,第3版は20刷まで増刷が重ねられてきている名著である.内容も,ADLの概念・範囲・意義をはじめ,評価,運動学と障害学,生活関連活動,自助具,リハ機器,コミュニケーション,障害別ADLの実際,在宅障害者のADLなど,およそADLの全体像が網羅されていて,臨床で,また教科書としてその存在価値は大きいものであった.しかし第3版改訂から18年が経過し,編者がすべて故人になられた今,新たに伊藤利之先生,江藤文夫先生という現在のリーダーである先生方にバトンタッチされ,新版としてリニューアルされたものである.章立ては前版を踏襲しながらも執筆者がほぼ一新され,最新精鋭の先生方による内容となっている.
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