書評
宮永敬市・田中勇次郎(編著)「作業療法士が行うIT活用支援」
渡邉 愼一
1
1横浜市総合リハビリテーションセンター
pp.94
発行日 2012年1月10日
Published Date 2012/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102348
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
コンピュータ,インターネット,携帯電話などに使う情報技術(information technology;IT)の進歩と普及はめまぐるしい.電車のなか,ホテルのロビー,会議室等々でパソコンや携帯端末を使用している人々は日常的な風景となった.今後も,社会インフラとして,あるいはコミュニケーションを中心とした日常の生活を支援する技術として不可欠になることは容易に想像できる.
作業療法は,生活上のコミュニケーション障害に対峙している職域である.ITに関しては,神経難病者のパソコンや意思伝達装置の活用方法の指導,発達障害児の仮名・漢字などの学習,パソコンを用いた遊びなどでIT機器を活用している.また,就労支援の領域では,移動や外出が困難な重度障害者に,ITを活用したホームページやイラスト制作などの在宅就労を支援している.本書の編者である宮永敬市氏,田中勇次郎氏は作業療法士で,著者らとともに,障害児・者のコミュニケーション支援を実践し成果を挙げてきた.今回,教育から就労までさまざまな分野のIT支援のエキスパートが彼らの呼びかけに応じて本書が発行されたことにより,ようやくこの分野が体系化されたという感が否めない.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.