書評
―佐藤友紀(著)―「パリス・アプローチ 腰,骨盤編―評価と適応」
内山 靖
1
1名古屋大学
pp.76
発行日 2010年1月15日
Published Date 2010/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101594
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このたび,佐藤友紀氏の単著による「パリス・アプローチ 腰,骨盤編―評価と適応」が発刊されました.全225ページにわたる学術的専門書を1人で執筆することは,内容の一貫性や整合性を保つ上で優れる一方で,それに必要なエネルギーや労力は並大抵ではありません.この点から,まずもって率直に敬意を表するものです.
運動療法の歴史は古く,治療の語源が“手当て”や“癒し”であることからも理解できるように,人が人に働きかけることの基本は徒手的アプローチであり,言語的・非言語的なコミュニケーションが存在することは自明です.徒手療法はmanual therapyの訳語ですが,そこには器用な指先による技術を超えた何かが存在しています.最近の徒手療法では,hands-off,bio-psycho-socialモデルが強調されていますが,ある意味での原点回帰と理解しています.
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