特集 助産婦教育を考える
琉球大学保健学部における助産婦教育
竹中 静廣
1
,
知念 貞子
1
1琉球大学保健学部母子保健学科
pp.57-63
発行日 1973年11月1日
Published Date 1973/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204610
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1.はじめに
従来の医学が,病的個体の治療のみに偏重し,地域住民のヘルス・ニードをおきざりにした病態医学であったとの反省から,とくに最近の産科学においては,病因論より保健論を重要視する傾向にあり,母子保健の概念とする健康保持と増進のための保健,医療という概念をとり入れた新しい学問へと発展しつつあると思う。
ここにおいて,母子保健の担い手としての助産婦の業務が,たとえば妊産婦管理の場でみられるごとく,医師を中心としたチームの一員として,その業務を全うするためには,現代社会において最も重要な保健問題ととり組むことのできる専門助産婦の養成が要望されるわけである。しかし現在の助産婦の教育制度が,短大昇格や看護大学設置の要望はあるにせよ,依然として看護学校であり,年限的にみても,専門職業教育という内容からみても,大学と匹敵するものではあるが,大学としての評価はされずとり残されたままである。
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