特集 地域リハと病院リハの連携―理学療法士の役割
地域・病院連携のなかでの理学療法技術
(2)連携のために求められる理学療法士の姿勢と課題
藤林 英樹
1
Fujibayashi Hideki
1
1兵庫県立加古川病院リハビリテーション室
pp.465-470
発行日 1996年7月15日
Published Date 1996/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104575
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1.はじめに
リハビリテーション医療が今日ほど社会的ニーズを背景に語られることはなかったであろうと思われる.25年後には4人に1人が65歳以上の超高齢社会になるといわれる現状にあって,理学療法士(以下PT)が医療分野ばかりでなく保健や福祉の領域から大いに期待をかけられている状況のなか,われわれPTにとっても責任を感じざるを得ない.その責任とは,リハビリテーション(以下リハ)が病院リハのみでなく地域リハのありかたを巡るあるべき姿の理念と,それに基づく実践論とが厳しく問われていることであろう.
そして,「地域理学療法」といわれる分野がわれわれの領域に新鮮な発想を奮起させ,医療機関の場における理学療法のありかたや姿勢に新たな課題を投げかけている1).リハシステムそのものについて論じる力量を筆者は到底持ちえない.そこで,今までに論じられているシステムのありようを踏まえ2),病院リハと地域リハにおけるPTとしてあるべき姿勢と役割について,最も共通するテーマである「ADL」を軸に,実践的視点を述べることで地域リハと病院リハの連携を考えることにする.
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