特集 老化による身体機能低下と理学療法
高齢者の腎機能と理学療法
忽那 俊樹
1
,
松永 篤彦
2
Kutsuna Toshiki
1
1北里大学大学院医療系研究科臨床医科学群循環器内科学
2北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科理学療法学専攻
pp.877-883
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101503
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はじめに
本邦では,成人の約13%に慢性腎臓病(chronic kidney disease:以下,CKD)が認められる1).特に高齢者では,加齢による影響と生活習慣病による動脈硬化の進展に伴って腎機能が低下し,CKDを有する割合は増加する.さらに,腎機能が低下すると,心疾患や脳血管疾患などの心血管疾患を高率に合併する.このため,運動器リハビリテーションの目的で理学療法を処方された場合であっても,腎機能障害の程度と合併症の重症度を併せて評価し,理学療法に対するリスクを層別する必要がある.
本稿では,腎機能の評価法とその臨床的意義を概説し,腎機能障害を合併した高齢者に対して理学療法を実施する際の留意点について述べる.
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