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特集 高齢者外科手術における周術期管理
〔高齢者への手術のリスク評価〕
腎機能からみた高齢者のリスク評価
Evaluation of renal function for aged patient
石田 厚
1
,
立原 啓正
1
,
大木 隆生
1
Atsushi ISHIDA
1
1東京慈恵会医科大学外科学講座血管外科
pp.1120-1126
発行日 2012年9月20日
Published Date 2012/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104209
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【ポイント】
◆高齢者は加齢に伴う動脈硬化が進んでおり,正常でも若年者より腎機能は低下し,CKDの割合が多い.
◆スクリーニングで腎機能低下を認めた場合,高齢者には若年者以上に積極的に原因疾患と併存疾患の精査・加療を行う.
◆腎臓内科医にはつねに慢性的なCKD管理を念頭に置いているが,周術期にはその常識が通用しないことを理解すべきである.
◆CKD患者に対する造影CT検査を禁忌と考える医師が多いが,近年の造影剤は輸液などの配慮をしつつ施行すれば安全に行えるので,メリットがある場合には躊躇せずに施行してよい.
◆CKD合併高齢者の場合,直感的に低侵襲治療がよいと考えがちだが,手術時間が長引いて腎灌流が低下する腹腔鏡下手術や,塞栓症リスクを伴うカテーテル治療などの低侵襲治療においては注意が必要である.
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