特集 小児の地域理学療法
特別支援教育における理学療法士の役割―子どもたちの学校生活を支える
多田 智美
1
Tada Satomi
1
1三重県立特別支援学校北勢きらら学園
pp.417-425
発行日 2009年5月15日
Published Date 2009/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101411
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自分が行っている治療は,子どもたちの生活にどのくらい役に立っているのだろうか? そんな自問自答を繰り返しながら小児医療施設で働いていた頃,特別支援学校(旧・養護学校)で働くという機会を得て10年が過ぎた.この間,支援費制度を経て自立支援法の施行など福祉制度の変化,医療的ケア導入による医療と教育との連携,そして特別支援教育の完全実施など,子どもたちを取り巻く情勢は大きく変わった.従来,障がい児教育は「特殊教育」と呼ばれ,日本では教員のみによって自己完結的に機能するように取り組まれてきたが,特別支援教育が実施される中で,特別支援学校では専門性が求められると共に,医療職との連携がクローズアップされるようになった.
本稿では,理学療法士は学校の中でどのような役割を担い,専門性を活かすことができるのか,そしてスクールセラピストとして学校に位置づけられるためには何が必要かについて,筆者の10年の取り組みから事例の紹介も交えて述べる.
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