特集 ニューロリハビリテーションと理学療法
ニューロリハビリテーションと理学療法
1.運動以外の治療的介入による脳の可塑性と今後の可能性
金子 文成
1
Kaneko Fuminari
1
1札幌医科大学保健医療学部理学療法学科
pp.1017-1025
発行日 2008年12月15日
Published Date 2008/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101306
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はじめに
脳卒中後の運動機能回復には,ニューロンの回復あるいは近隣領域が損傷した領域の機能を再獲得する再組織化が関係していると考えられている1,2).このような運動機能回復の背景にある脳の可塑的変化をどのように引き出すかという試みは,運動以外にも様々な介入手段によって行われている.本稿では,今後脳卒中症例に対して,「Neuroscience-based Rehabilitation」として臨床応用していく手段を考える資料とするため,経頭蓋磁気刺激(transcranial magnetic stimulation:以下,TMS)や電気刺激などの神経生理学的研究で用いられる手法を治療に適用した研究を紹介する.さらに,健康な被験者で脳の可塑的変化が認められ,今後治療的介入手段となっていくことが期待される方法に関する研究を紹介する.
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