Japanese
English
特集 運動療法再考
脳の可塑性とリハビリテーション
Neural plasticity of the brain and rehabilitation for functional recovery.
岡島 康友
1
,
原田 貴子
1
Yasutomo Okajima
1
,
Takako Harada
1
1杏林大学医学部リハビリテーション医学教室
1Department of Rehabilitation Medicine, Kyorin University School of Medicine
キーワード:
脳
,
可塑性
,
機能的再構築
,
麻痺
,
体性感覚
,
失語症
,
薬剤
Keyword:
脳
,
可塑性
,
機能的再構築
,
麻痺
,
体性感覚
,
失語症
,
薬剤
pp.613-620
発行日 2005年7月10日
Published Date 2005/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100130
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はじめに
中枢神経系に可塑性があることは疑いようのない事実である.とくに大脳皮質の可塑性は著しく,刻一刻,機能変化することが証明されている.しかし,空間的に,時間的に,機能的に,どのように変化しうるかについては未知の部分が多い.
たとえば,脳卒中によって運動野にダメージが加わって,上肢の麻痺に陥ったとしよう.神経が再生して,シナプスが以前と同じように形成されれば復活しうるわけであるが,通常では機能する再生は期待できない.しかし,失われた運動野に類似する領野は出現しうる.それがどこに出現するのか,ダメージを受けてからいつ頃までに出現するのか,その領野は元通りの運動野の機能を担うことができるのか,といった課題には必ずしも答えられない.また,機能が戻りうることを示されても,どうすれば元のように戻せるか,どうすれば早く戻せるかという課題にはほとんど答えられない.
これがリハビリテーション医学の関心事であり,本稿のテーマでもある.
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