Japanese
English
特集 記憶ふたたび
2.シナプスの可塑性と構造可塑性の分子機構
Molecular basis for synaptic plasticity and structural plasticity
細川 智永
1
,
林 康紀
1
Hosokawa Tomohisa
1
,
Hayashi Yasunori
1
1理化学研究所脳科学総合研究センター記憶メカニズム研究チーム
キーワード:
シナプス可塑性
,
構造可塑性
,
構造的LTP
,
アクチン再構成
,
CaMKⅡ
Keyword:
シナプス可塑性
,
構造可塑性
,
構造的LTP
,
アクチン再構成
,
CaMKⅡ
pp.9-12
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200389
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記憶の獲得とは,外界の情報を脳内に保存する行為にほかならない。記憶の獲得以前と以降で脳内に起こった変化は,現在では記憶痕跡と呼ばれる学習時に同期活動した特定のニューロン集団として捉えられ,これらのニューロン集団がシナプスを介して強く結ばれることで記憶が獲得されると考えられている。これはシナプスの持つ可塑性(plasticity),すなわち刺激に応答して永続的な変化を起こす性質を基盤として実現されているため,シナプス可塑性はシナプスレベルの記憶痕跡とも表現される。そこで本稿では,シナプス可塑性と記憶について,その分子機構を中心に最新の知見を紹介したい。
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