講座 摂食・嚥下障害・2
小児症例の摂食・嚥下障害
平井 孝明
1
Hirai Takaaki
1
1神奈川県立こども医療センター発達支援科理学療法室
pp.147-154
発行日 2008年2月15日
Published Date 2008/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101116
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はじめに
小児症例の摂食・嚥下障害と成人症例を比較した時,最も大きな相違点は「成長と発達」への関与であろう.全身状態,解剖学的形態,呼吸状態,全身的運動機能,知的能力,意欲などによる摂食・嚥下機能への影響は小児症例も成人症例も共通する要素であり,摂食・嚥下障害によって栄養障害,呼吸機能障害,全身状態悪化を来すことも同様である.しかし,小児症例においては,摂食・嚥下機能の発達が身体成長,口腔構造の構築,言語発達,全身的運動発達,情緒・精神性の成熟,社会性の発達,呼吸機能を含めた全身状態に大きく関与し,成人に至るまで日常生活全般に大きな影響を与える.本稿では,小児症例の生命維持,成長・発達に最も重要な,摂食・嚥下機能に対するアプローチについて概説する.
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