特集 病棟理学療法の視点と実践
一般病院における急性期脳卒中患者の病棟理学療法
廣澤 隆行
1
,
鶴見 隆正
2
Hirosawa Takayuki
1
1尾道市公立みつぎ総合病院
2神奈川県立保健福祉大学リハビリテーション学科理学療法学専攻
pp.631-638
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100997
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はじめに
近年,脳卒中患者の理学療法は,多くの医療機関で発症・入院後2~3日以内,早ければ発症当日から集中治療室(以下,ICU)で治療と並行して開始されている.
「脳卒中治療ガイドライン2004」では「廃用症候群を予防し,早期の日常生活動作(ADL)向上と社会復帰を図るために,十分なリスク管理のもとに急性期からの積極的なリハビリテーション(以下,リハ)を行うことが強く勧められる(推奨グレードA).その内容には,早期座位・立位,装具を用いた早期歩行練習,摂食・嚥下練習,セルフケア練習などが含まれる1)」と記述されている.また,脳卒中患者の大半が高齢者であるため,多くのリハの成書2~5)にも,廃用症候群および合併症の予防を目的とした急性期リハが重要であると記述されている.これらのことから,脳卒中患者の急性期理学療法は,廃用症候群の予防に重点をおき,可能な限り早期に開始されることに異論はない.
本稿では,尾道市公立みつぎ総合病院(以下,当院)における急性期(発症~約1か月)脳卒中患者の病棟理学療法の取り組みについて概説する.
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