特集 早期理学療法
脳卒中に対する急性期からの早期理学療法
松葉 好子
1
,
萩原 章由
1
,
今吉 晃
1
,
染谷 涼子
2
,
江連 美奈
3
Matsuba Yoshiko
1
1横浜市立脳血管医療センターリハビリテーション部
2横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター
3横浜市立港湾病院リハビリテーション科
pp.739-748
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100878
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横浜市立脳血管医療センター(以下,脳血管センター)は,病院全体が“Stroke units”であり,脳卒中の超急性期から安定期まで,診断,治療,リハビリテーション(以下,リハ)の一貫した包括医療を実施している(表1).救急の初療は神経内科が担当し,合併症と治療適応に応じて主治医は神経内科,脳神経外科,内科となる.リハ科ではリハ医がリハ部(理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,心理士)に対してリハ依頼を行う.そのために,救急入院後の早期からベッドサイド理学療法を開始することができており,2002年4月から2003年3月までの急性期入院患者の理学療法依頼は697件で,入院から理学療法開始までの期間は平均2.03日であった.
脳卒中に対するリハは,早期開始が重要である1~4).急性期からの早期理学療法を行うためには,単に時間的に早期から開始するだけではなく,脳卒中の診断や治療に応じたリスク管理のもとで,適切に実施されなければならない.特に脳卒中の急性期には,血圧の変動と心拍数の不安定さを認めることが多く,また脳循環の自動調節能が破綻しているため,脳血流は血圧に依存している.したがって急性期からの早期理学療法を施行中には,脳血流の維持が重要であり,理学療法士は循環動態に対して配慮しなければならない.しかし,理学療法が急性期の血圧変動などに及ぼす影響について述べた報告は少ない.
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