特集 医療保険・介護保険と理学療法
診療報酬改定による理学療法への影響―回復期リハビリテーション病棟の立場から
三宮 克彦
1
Sannomiya Katsuhiko
1
1医療法人寿量会熊本機能病院総合リハビリテーション部
pp.213-215
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100794
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
平成14年4月の診療報酬改定は,従来の理学療法の複雑なもの・簡単なものが1単位20分の単位制に変更され,セラピスト1人当たりの1日取り扱い限度が個別療法で18単位,集団療法で54単位と規定された.また,厚生労働大臣が定めた疾患においては,早期加算や病棟ADL加算の算定条件によって,対象患者の発症からの期間や状態,理学療法の内容による重みづけがなされた1).すなわち,今回の改定では早期加算点数の期間による減少として表現されているが,厚生労働大臣が定めた疾患においても事実上は期間による逓減性を行い,発症後早期から濃厚な理学療法を施行するよう誘導されている(表1).本稿では,当院の概要を紹介した後,診療報酬改定後の当院の回復期リハ病棟での取り組みと問題点およびその対応について述べる.
当院の概要
熊本機能病院は熊本市北部に位置し,病床数410床(一般病棟:6病棟250床/回復期リハビリテーション病棟:2病棟100床/医療保険適用療養病棟:1病棟60床)を持つ病院である.昭和56年の開設以来,救急医療からリハビリテーション(リハ),在宅医療まで一貫した医療を実践することを基本方針として運営している.診療科目としては,整形外科,形成外科,神経内科,循環器科,一般内科,リハ科,リウマチ科,麻酔科,歯科,矯正歯科を標榜している.入院患者の約7~8割はリハ対象患者で,そのほとんどが骨関節疾患を中心とした整形外科疾患および脳血管障害を中心とした神経系疾患である.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.