連載 チーム医療の現場から医療制度を考える・5
診療報酬改定がチーム医療に与える影響
本田 宏
1
1埼玉県済生会栗橋病院・外科
pp.399-401
発行日 2002年5月10日
Published Date 2002/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901639
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診療報酬改定で何が変わるのか
医療制度改革というとサラリーマンの3割負担ばかりが話題になっている。しかし,2001年12月14日の中医協審議報告では,「賃金・物価の動向や最近の厳しい経済動向,さらには医療保険制度改革全体の流れの中で改革の痛みを公平に分かち合うという観点からも相応の見直しを行なうべき」とし,2002年4月実施の診療報酬改定は,医療費ベースで▲2.7%(薬価引き下げ▲1.4%,診療報酬引き下げ▲1.3%)が決定された。「三方一両損」の合言葉で断行された,診療報酬本体についてのマイナス改定は史上初めてである。
診療報酬改定の具体的内容は,第1が「効率的な医療提供体制の評価」で,急性期入院医療の評価として急性期入院加算等の要件に「診療録管理体制の整備や退院指導計画書の作成・実施など」が追加された。第2の「患者の特性に応じた医療の評価」では,特に今回改定の特徴とされる小児医療の評価が行なわれ,急性期小児医療の体制整備と院内感染の防止などを目的として,小児入院管理料(3000点/日)や,小児療養環境特別加算(300点/日),ほかに地域連携小児夜間・休日診療料(300点)が創設された。第3の「薬剤使用の適正化と薬剤関連技術料の見直し」では慢性疾患の投薬期間の長期化を麻薬など一定の医薬品を除き原則白山化した。また安価で効き目が同等とされる後発医薬品の使用と医薬分業を促進するため,処方箋料の見直しが行なわれた。
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