特集 運動療法の基礎
関節可動域障害に対する運動療法の基礎
佐々木 伸一
1
,
嶋田 誠一郎
1
,
北出 一平
1
,
小川 真裕美
1
,
亀井 健太
1
,
久保田 雅史
1
,
川原 英夫
1
,
小林 茂
1
,
馬場 久敏
1
Sasaki Shinichi
1
1福井大学附属病院リハビリテーション部
pp.717-725
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100553
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関節可動域(以下,ROM)障害の予防と治療のための運動療法は,最も頻度が多く1),また一度発生した拘縮は,日常生活に支障を来すとともに,拘縮を改善するには患者と医療者に多くの時間とエネルギーと費用がふりかかる.ROM障害を予防するには,常に関節機能の温存を優先した運動療法を考えていく必要がある.また,関節を動かすことで生じるリスクと関節の不動により生じるリスクを考慮しながら運動療法を進める必要がある.
疼痛,痙性,麻痺,固定など種々の要因で関節の不動や低運動が続くと,皮膚,皮下組織腱,神経などの非収縮組織,筋などの収縮組織,関節包や靱帯など関節組織に拘縮を起こす.拘縮には,熱傷瘢痕などの皮膚性拘縮,外傷や変性による筋性拘縮,軟骨の変性や関節炎による関節性拘縮,中枢神経や末梢神経障害による神経性拘縮,術後に生ずる医原性拘縮,心因性拘縮などがある.
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