入門講座 運動療法の基本 ➊
関節可動域運動の基本
田中 聡
1
,
高橋 謙一
2
Tanaka Satoshi
1
1香川大学医学部附属病院リハビリテーション部
2学校法人大麻学園四国リハビリテーション学院
pp.295-304
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100464
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理学療法士(以下PT)は,日々臨床の中で関節可動域運動(range of motion exercise;ROM exercise)に多くの時間を費やしている.その対象疾患も骨関節疾患,中枢性神経疾患,神経・筋疾患など多岐にわたり,また治療場所は急性期のベッドサイドから理学療法室,さらには訪問リハビリテーションなど在宅にまで及んでいる.しかし,その頻度の多さから,当たり前の治療のようになり,関節可動域制限に対する評価や治療を漠然と慣習的に行ってはいないだろうか.PTとして関節運動の基礎を学習し,疾患別あるいは症状別に関節可動域制限を理解して関節可動域運動を実施することは重要であり,近年提唱されている科学的根拠に基づいた理学療法につながるものと思われる.
本稿では,新人PTを対象として関節可動域運動に関する基本的知識の整理と,その治療に関する基本的手技ならびにわれわれが工夫している点などを紹介する.
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