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特集 どうしていますか 下肢装具
補装具のフォローアップ研究から
Research findings on follow-up of lower limb orthoses
高岡 徹
1
,
樫本 修
2
Toru Takaoka
1
,
Osamu Kashimoto
2
1横浜市総合リハビリテーションセンター
2松田病院整形外科・リハビリテーション科
1Yokohama Rehabilitation Center
2Department of Orthopaedic Surgery, Department of Rehabilitation Medicine, Matsuda Hospital
キーワード:
短下肢装具
,
身体障害者更生相談所
,
障害者総合支援法
Keyword:
短下肢装具
,
身体障害者更生相談所
,
障害者総合支援法
pp.1011-1017
発行日 2025年10月10日
Published Date 2025/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698220530101011
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はじめに
下肢装具を代表とする補装具は,身体機能や使用環境の評価などを行った後,処方,製作,適合判定を経て完成に至る.この間に,身体障害者更生相談所(以下,更生相談所)の判定や市町村の支給決定などの事務的な対応も行われる.しかし,支給後はいわゆる「出しっぱなし」の状況にあり,適切に使用できているのか,修理の必要性は生じていないのか,といったフォローアップは,リハビリテーション科の外来診療場面や補装具製作事業者による個別の献身的な活動などを除けば,体系的に実施されることはほとんどなかった.
その結果として,不適切な装具を装用して生活を続け,どうしようもなくなってからやっと相談に行く(図1)という利用者がいるのは残念なことである.
補装具のフォローアップの必要性や重要性は疑いようがないものの,誰が,どのようにフォローアップを行えばよいのかを考えると,実際には難しい問題が累積している.そこで筆者らは,2020年度から2023年度まで補装具のフォローアップに関する現状調査と具体的な対応策に関する研究を行った1,2).
本論では,これらの研究結果から特に筆者らがかかわった更生相談所や自治体などの公的機関の調査を中心に概説する.研究全体では,回復期リハビリテーション病棟や補装具製作事業者3),利用者自身の調査研究も行っており,これらの結果と考察についてはまとめて報告する.

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