特集 理学療法モデル
帰結決定要因からみた理学療法モデルの構築
清水 和彦
1
,
小倉 彩
1
,
小澤 敏夫
2
Simizu Kazuhiko
1
1北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科理学療法学専攻
2東日本循環器病院リハビリテーション科
pp.368-376
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100478
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ヒトと実世界とのかかわり,すなわち相互作用の理解は,実世界とヒトとの相互関係を単純化したモデルを介して行われる1).単純化したモデルを通して思考することで,対象物との複雑な関係を記述することが可能となる.なんらかの介入によって対象物との相互関係を変化させようとする際には,単純化したモデルに基づいて介入計画を立て,実行する.さらにその結果(変化したか否か)が評価され,新たな計画立案時の事例(知見)として集約される.この一連の相互作用の過程は情報として蓄積されながら循環し,蓄積された情報はモデルを支える規範へと統合されていく.
このように単純化されたモデルは演繹的にも帰納的にも思考操作され,実社会の運営を思索する過程を単純化するという利点を持つ.一方でモデルは,科学の進歩や科学的視点の変化,あるいは実社会の変化に伴って変更・修正が求められる.
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