新人理学療法士へのメッセージ
心に残る3つの言葉
中野 順子
1
1昭和大学病院リハビリテーションセンター
pp.460-461
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100319
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晴れて理学療法士として働き始めた皆さん,少しは職場に慣れたころでしょうか.私は理学療法士になって6年目を迎えました.新人の頃は「要領の悪い私でも,さすがに5年もたてば自分の仕事にある程度の自信を持てるようになっているに違いない」と思っていました.しかし理学療法の道は奥が深いもので,まだまだ未熟者の私は,今も毎日の臨床でたくさんの疑問と反省に埋もれつつ奮闘しています.今回「新人理学療法士へのメッセージ」を書く機会をいただきましたので,私が今まで先輩方にいただいたアドバイスの中で特に心に残っているもの,自分に影響を与え続けているものについて書かせていただき,皆さんに何かを感じていただけたらと思います.
「患者さんよりも偉い理学療法士にならないでください」
これは私が医療短大を卒業するときに,ある先生がくださった言葉です.そのときは心の中で「何年経っても絶対にそんな風に思うことはないはずだ」と思っていました.当時は卒業したばかりで,理学療法士としての自信などあるはずもなく,また,基本的に医療はサービス業だと捉え,「患者さん=お客様」と認識していましたので,自分が患者さんより上の立場になるなんてありえない,と思っていました.
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