連載 思い出すけっち[あの人、あの時、あの言葉]・16
心に残る3冊の本
早川 かつ
1
1藍野学院短期大学
pp.334-335
発行日 1990年4月1日
Published Date 1990/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900086
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1946(昭和21)年6月,私たち救護班員は傷病兵を看護しながら揚子江を下り,上海から足の速い駆遂艦に揺られて,4年ぶりに内地へ帰還しました.内地では長い戦争から解放されたものの,極度に荒廃した生活条件の中で,既に戦後の歩みが始まっていました.
私は心身ともに疲れていたとみえて,看護婦の仕事はやめようと考えていました.そんな折,大阪赤十字病院におられた長島看護部長が就職を勧めてくださり,1950年5月,私は再び母院に勤めることになりました.けれどもその頃になっても,看護という,何かよく分からないものの周囲をぐるぐる回っているという思いがぬぐえませんでした.
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