連載 とびら
心に残る言葉と歩んだ時間の先に
牧 芳昭
1
1鵜飼リハビリテーション病院
pp.1017
発行日 2025年9月15日
Published Date 2025/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590091017
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私は人生で遠回りをしたぶん,理学療法士として歩き出したのは三十路を過ぎてからでした.入職時には上司から「周りと比べるな,自分自身でギアを上げなさい」と声をかけられ,その言葉は今も心に残っています.
理学療法士として14年目を迎える今,私が大切にしているのは「自分自身のギアを上げられる環境を整えること」です.週に一度は立ち止まって行動を振り返り,自分から丁寧なかかわりを重ねることを心がけています.職場は一人では成り立たないからこそ,互いに尊重し合える土壌をつくる努力が,自分を成長させる原動力になると感じています.かつては年齢や経験への劣等感から「できるように見せなければ」という思いに縛られていた時期もありましたが,今は周囲の成功を素直に喜び,自分の出番が来るまでの準備期間を淡々と過ごすことが,結果としてチャンスを引き寄せると信じています.
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